2025/05/14

WEBサイトのデータ暗号化が機能しない

WEBトラブル


インターネットで買い物をしたり、フォームに個人情報を入力したりするとき、私たちが安心して利用できるのは「データの暗号化」がしっかり機能しているおかげです。

中でもSSL/TLSと呼ばれる暗号化技術は、通信内容を守る大切な仕組み。

しかし、これが正しく設定されていないと「保護されていない通信」と表示されてしまい、ユーザーの信頼を失ってしまうかもしれません。


この記事では、Webサイトのデータ暗号化がどういう仕組みで動いているのか、そしてうまく機能しない場合の原因と対処法について解説していきます。

サイト管理者や企業のWeb担当者は必見です!


WEBサイトのデータ暗号化の基本的な流れ


WEBサイトのデータ暗号化は、オンラインでの情報送受信を安全に保つために欠かせないプロセスです。

主にSSL/TLS(Secure Sockets Layer/Transport Layer Security)という暗号化技術を使用します。

以下にその流れをわかりやすく解説します。


1. SSL/TLS証明書のインストール

WEBサイトのサーバーには、まずSSL/TLS証明書がインストールされている必要があります。

これは、サーバーが信頼できる証明機関(CA)から発行されたデジタル証明書を使い、自サイトの身元を証明する役割を持ちます。

この証明書には公開鍵と秘密鍵が含まれており、データの暗号化と復号に使用されます。


2. クライアントとサーバーの接続

ユーザーがWebサイトにアクセスすると、ブラウザとサーバーの間で暗号化通信が開始されます。

まず、ブラウザはサーバーに接続し、サーバーが持つ証明書を受け取ります。

証明書の有効性を確認した後、ブラウザはサーバーに対して安全な通信を開始する準備をします。


3. セッションキーの生成

次に、サーバーとブラウザは「セッションキー」を共有するための鍵交換プロセスを行います。

公開鍵暗号方式を使用して、ブラウザはランダムなセッションキーをサーバーに暗号化して送信します。

このセッションキーは対称鍵暗号であり、データの暗号化と復号を高速に行うことができます。

セッションキーが正しく共有されると、双方は暗号化された通信を始めます。


4. データの暗号化と復号

ブラウザとサーバー間で送受信されるデータは、このセッションキーで暗号化されます。

これにより、インターネット上を流れる情報が第三者に盗聴されても、内容を解読することができません。

送信者はデータを暗号化し、受信者は同じセッションキーを使ってデータを復号化します。


5. 接続の終了

通信が完了すると、セッションキーは破棄され、再度新しいセッションキーが生成されることになります。

これにより、次回の接続時には新たな暗号化された通信が行われます。


以上のように、SSL/TLSによる暗号化は、公開鍵と秘密鍵、セッションキーを使用してデータの安全な送受信を実現します。

もしこの過程で問題が発生すると、データ暗号化が機能しない原因となります。

次に、よくあるWEBサイトのデータ暗号化が機能しない原因をいくつかご紹介します。


WEBサイトのデータ暗号化が機能しない原因


原因①:SSL/TLS証明書の未設定・期限切れ

基本的で多いトラブルが、SSL/TLS証明書の設定ミスや有効期限切れです。

証明書はWebサイトが安全であることを証明するもので、HTTPS通信に欠かせません。

これがサーバーにインストールされていない、あるいは期限切れになっている場合、ブラウザは「保護されていない通信」と警告を出し、暗号化が機能しません。


原因②:中間証明書の不備

SSL/TLS証明書には「証明書の連鎖(チェーン)」があり、ルート証明書・中間証明書・サーバー証明書の順に信頼を構築しています。

中間証明書が適切に設定されていないと、クライアント(ユーザーのブラウザ)はサーバー証明書の正当性を確認できず、通信を拒否することがあります。


原因③:鍵交換の失敗や不一致

クライアントとサーバーの間で使われる暗号化方式や鍵長が一致しない場合、セッションキーの交換に失敗し、暗号化通信が確立されません。

特に、独自構成のサーバーで起きやすいトラブルです。


このように、WEBサイトのデータ暗号化が機能しない原因は様々です。

次に、これらの原因に対する具体的な対処法を解説します。


WEBサイトのデータ暗号化が機能しないことを改善するには何をしたらいい?


解決策①:SSL/TLS証明書の未設定・期限切れ

まずは、SSL/TLS証明書が正しく設定されているか確認しましょう。

証明書が未設定、もしくは有効期限が切れていると、暗号化通信は確立されません。

証明書の有効性は、ブラウザでWebサイトを開き「鍵マーク」をクリックすると確認できます。  

証明書の導入や更新は、信頼できる認証局(CA)から取得し、Webサーバーに適切にインストールする必要があります。

Let’s Encryptのような無料の証明書もありますが、90日ごとの自動更新設定を忘れずに行いましょう。


解決策②:中間証明書の不備

中間証明書が欠落している場合、クライアントが証明書の信頼性を確認できず、接続エラーになります。

これを防ぐには、フルチェーン証明書(中間証明書を含む証明書)を使ってサーバーに設定することが重要です。  

証明書ファイルをサーバーにアップロードする際、「中間証明書用のファイル」や「CAバンドル」として別ファイルを求められることがあります。

設定ガイドや認証局のマニュアルに従って、正確にインストールしましょう。


解決策③:鍵交換の失敗や不一致

暗号化通信では、サーバーとクライアント間でセッションキーを安全に交換する必要があります。

この鍵交換で使われる暗号スイート(暗号方式の組み合わせ)がサーバーとクライアントで一致しないと、通信は成立しません。  

この問題を防ぐには、サーバー側で安全かつ互換性の高い暗号スイート(例:TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256など)を優先的に設定しましょう。


また、TLS 1.2以上を有効にし、TLS 1.0や1.1は無効化しておくのが現代の標準です。


これらの解決策を実施することで、Webサイトの暗号化通信は安定し、ユーザーの信頼を損なうリスクも大きく減らせます。


まとめ


WEBサイトのデータ暗号化が機能しない原因とその解決法について解説しましたが、いかがでしたか?

Webサイトのデータ暗号化は、ユーザーとの信頼関係を築くためにも欠かせない要素です。

「うちのサイトは大丈夫かな?」と少しでも不安に思ったら、まずは証明書の状態や暗号化の設定を確認してみましょう。

ほんのちょっとの見落としが、セキュリティリスクにつながることもあります。

安全で信頼されるサイト運営を目指して、一歩ずつ見直していきましょう!


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