2025/06/04

AWSにてロードアベレージが高負荷が継続している

AWSにてロードアベレージが高負荷が継続している


AWS環境で運用しているシステムが急に重くなったり、パフォーマンスが低下したりすることはありませんか?

特に「ロードアベレージの高負荷が続いている」といった状況は、システム全体の動作に大きな影響を与える可能性があります。


この記事では、AWSにおけるロードアベレージが高負荷の原因とその解決策をわかりやすく解説します。

原因としてよく見られるのは、CPUリソースの不足やメモリ不足によるスワップ発生、ディスクI/O待ち(I/O Wait)などです。

それぞれの問題に対して、どのように対応すれば効率よく解決できるのか、具体的な改善策を紹介します。


これを読めば、AWS環境のパフォーマンスをより安定させるためのヒントが得られるはずです!


AWSの通常の状態とは



AWS(Amazon Web Services)上のサーバーが正常に動作しているとき、システム内では複数のプロセスがバランスよく稼働し、CPUやメモリ、ディスクI/O、ネットワークなどのリソースが適切に分配されています。

EC2インスタンス(仮想サーバー)の場合、CPU使用率は一定範囲に収まり、ロードアベレージ(一定時間内に実行中または待機中のプロセス数の平均)も比較的低く安定しています。


通常状態では、リクエストがALB(Application Load Balancer)などを通じて分散され、必要に応じてオートスケーリングによってインスタンス数が自動で増減し、負荷を平準化します。

また、CloudWatchで定期的にリソースの状態がモニタリングされており、異常があれば通知される仕組みも整っています。


さらに、ストレージはEBS(Elastic Block Store)で安定供給されており、I/O性能も規模に応じてスケーラブルに対応。アプリケーションが適切に設計されていれば、急なアクセス増加やバッチ処理の実行などがあっても、全体としてスムーズな処理が行われます。


このように、AWS環境の通常状態は、各リソースが連携しながらバランスよく動作している状態を指します。

ロードアベレージが継続的に高いということは、どこかのリソースに偏った負荷が発生している可能性が高く、それを見つけ出すにはこの「通常状態」の理解が前提となります。


次に、よくある「AWSにてロードアベレージの高負荷が継続している」原因をいくつかご紹介します。


AWSにてロードアベレージの高負荷が継続している原因


原因① CPUリソースの不足

一般的な原因の一つは、CPUリソースの不足です。

ロードアベレージは、CPUで処理中のプロセス数を示す指標の一つです。

もし、アプリケーションや処理が増加し、EC2インスタンスのvCPU数で対応しきれなくなると、プロセスが処理待ちの状態に入り、ロードアベレージが上昇します。

特に、CPU負荷が高い計算処理やデータ解析を行うアプリケーションでは、CPUリソースが急激に消費されやすいです。


また、インスタンスの種類やサイズが不足している場合も、CPUリソースがボトルネックとなり、高負荷が継続する原因になります。


原因② メモリ不足によるスワップ発生

次に考えられる原因は、メモリ不足によるスワップ発生です。

EC2インスタンスのメモリが不足すると、システムはディスクにあるスワップ領域を利用してメモリの代わりにデータを一時的に格納します。

しかし、スワップ領域は物理メモリに比べてアクセス速度が遅いため、スワップが発生するとディスクI/Oが増加し、結果的にロードアベレージが高くなります。


メモリ不足は、アプリケーションのメモリリークや、ピーク時に大量のリソースを消費する処理が原因で発生します。


原因③ ディスクI/O待ち(I/O Wait)

ディスクI/O待ち(I/O Wait)も、ロードアベレージが高くなる原因の一つです。

EC2インスタンスのストレージがボトルネックになると、ディスクの読み書き処理が滞り、プロセスがI/O待ち状態に入ります。

これにより、CPUがプロセスを待機させる時間が長くなり、ロードアベレージが上昇します。


AWSでは、EBS(Elastic Block Store)を使用することが一般的ですが、EBSのパフォーマンスが制限されていると、I/O待ちが発生しやすくなります。

特に、ディスクへのアクセスが頻繁な処理や、大量のデータを扱うバッチ処理を行っている場合に、I/O待ちが影響を与えることがあります。


このように、AWSにてロードアベレージの高負荷が継続している原因は様々です。

次に、これらの原因に対する具体的な対処法を解説します。


AWSにてロードアベレージの高負荷が継続していることを改善するには何をしたらいい?


解決策① CPUリソースの不足

CPUリソースが不足している場合の改善策として、まず最も効果的なのは、インスタンスのサイズアップです。

AWSでは、インスタンスサイズを変更することで、より多くのvCPUを割り当て、処理能力を向上させることができます。

特に、計算負荷が高いアプリケーションの場合、インスタンスのCPU性能を向上させることで、プロセスの処理待ちを減らすことが可能です。


また、オートスケーリングの活用も有効です。

オートスケーリングは、トラフィックやリクエスト数に応じてインスタンスを自動で増減させる機能です。

負荷が高い時にインスタンスを追加することで、スケールアウトし、CPUリソースの不足を解消できます。


さらに、負荷分散を行うALB(Application Load Balancer)の設定を見直し、トラフィックが適切に分散されるようにすることも、CPU負荷を軽減するための方法の一つです。


解決策② メモリ不足によるスワップ発生

メモリ不足によるスワップ発生は、ディスクI/Oの増加を引き起こし、システムのパフォーマンスを大きく低下させます。

この問題に対処するためには、まずインスタンスのメモリサイズを増やすことが必要です。

インスタンスに十分なメモリを割り当てることで、スワップが発生するリスクを減らすことができます。


さらに、メモリリークが原因でメモリ消費が異常に増加している可能性もあるため、アプリケーションコードを確認し、メモリリークを修正することも重要です。

定期的なガーベジコレクションの実行や、不要なオブジェクトの解放を行うことで、メモリ使用量を効率的に管理できます。


CloudWatchなどの監視ツールを活用してメモリ使用量をリアルタイムでモニタリングし、異常が早期に発見できるようにすることも、スワップ発生を防ぐために有効です。


解決策③ ディスクI/O待ち(I/O Wait)

ディスクI/O待ちが発生している場合、まずはEBSボリュームのパフォーマンスを向上させることが重要です。

AWSのEBSには異なるタイプ(汎用SSD、プロビジョンドIOPS SSDなど)があり、アクセス速度に応じて最適なタイプを選ぶことで、I/O性能を向上させることができます。

もし、EBSのパフォーマンスがボトルネックになっている場合、より高性能なEBSタイプへの変更が効果的です。


また、IOPS(Input/Output Operations Per Second)の制限に達している場合は、EBSボリュームのサイズを増やす、またはプロビジョンドIOPSを利用することで、処理速度を向上させることができます。


さらに、ストレージの負荷分散や、Amazon S3を使ってデータをオフロードし、EBSの使用負荷を減らす方法も検討する価値があります。

データのアーカイブやバックアップをS3で管理することで、EBSのディスクI/O負荷を軽減できます。


これらの改善策を実施することで、AWSのロードアベレージの高負荷状態を効果的に解消でき、システムのパフォーマンスを安定させることができます。

各問題に合わせたリソースの見直しやスケーリングを行い、システム全体の最適化を目指しましょう。


まとめ



AWS環境でのロードアベレージの高負荷が続くと、システムパフォーマンスの低下やユーザー体験への影響が避けられません。

しかし、原因を特定し、適切な対策を講じることで、安定した運用を実現することが可能です。

この記事で紹介した解決策を実践すれば、リソースの最適化やスケーリングを通じて、システムの負荷を効果的に軽減できます。

AWSの管理は柔軟でスケーラブルなため、負荷が高くなった場合でも適切な対応をすることで、よりスムーズな運用が可能になります。

システムのパフォーマンスを向上させて、安定したサービス運用を目指しましょう。


img_喜び

似たような問題が
繰り返す場合は

一度調査してみませんか?

img_落ち込み
img_喜び

似たような問題が
繰り返す場合は

一度調査してみませんか?

img_落ち込み